システム7社を「公表事実」だけで並べる
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本ページの比較表は、各社の公式サイト・プレスリリースに掲載されている提供会社、提供方式、機能、料金、導入事例など、公開情報で確認できた事実項目だけを並べています。順位付けや優劣の判断は行いません。確認できなかった項目は「公式サイト参照」としています。数値は2026年10月時点の公表値で、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
駅・商業施設・ホテル・イベント会場で拾得物の管理を支えるシステムは、ここ数年で選択肢が大きく増えました。背景には、page-01で整理した特例施設占有者の業務量の増加と、人手不足・多言語対応の必要性があります。本ページでは、拾得物の登録から返却・警察届出までを一括管理できるクラウドシステムを中心に、7社を公表情報の範囲で比較します。
読むにあたって、料金の対り方を補足しておきます。本ページでは、料金は各社が公式に公表した値に限り、推測や記憶、第三者ランキングの数値は使用していません。また、公表されていない項目は「公式サイト参照」と表記しました。
比較表:拾得物管理システム・SaaS 7社
| サービス | 提供元 | 本社 | 提供方式 | 公表主機能 | 公表料金 | 公表導入実績 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 落とし物クラウドfind | 株式会社find | 東京都港区 | クラウド(LINE連携) | 写真登録・AI自動登録・LINE問い合わせ・画像検索・多言語対応 | スタンダードプラン月額20万円〜(拾得数による見積り) | JR九州、京王電鉄、東京モノレール、JR東海、阪急電鉄・阪神電車、近畿大学、三菱地所・サイモンなど |
| MONODOKO | 株式会社JR東日本情報システム | 公式サイト参照 | クラウド(月額プラン制) | 写真登録・フリーワード検索・警察届出書類作成・特例施設占有者向け機能・AI登録補助(オプション) | 拾得物件数と利用者数による月額プラン(要問い合わせ) | 鉄道・バス・商業施設・ホテル・テーマパーク等を想定用途として公表 |
| 忘れ物ポータル | ピトラ株式会社 | 東京都千代田区(公式サイト参照) | クラウド(従量制) | 拾得物登録・管理ラベル印刷・問い合わせフォーム/チャット・警察届出書類・受領証・返還証発行 | 拾得登録件数と機能による月額(要問い合わせ)/Liteは小規模向け従量制 | ISO/IEC 27001認証(2026年1月)、リテールテックJAPAN展示 |
| 落とし物管理さくらさん | 株式会社ティファナ・ドットコム | 公式サイト参照 | クラウド(AI運用代行型) | AIによる登録・返却処理・問い合わせ対応AI・保管期限管理・遺失物管理の特許(公表) | 公式サイト参照 | 複合商業施設「有明ガーデン」、さいたまスーパーアリーナなど(公表例) |
| みつけるくん | 株式会社システムステーション | 公式サイト参照 | クラウド(月額基本料制) | 写真付き登録・検索(写真・日時・カテゴリー・フリーワード)・警察届出書類の自動作成・本部管理 | 月額5,000円〜(登録数の追加料金なし・初期導入費別途) | 北九州市立総合体育館、みろくの里、おふろの王様など(公式事例) |
| HOKURYO CONNECT | 北菱電興株式会社 | 石川県金沢市(公式サイト参照) | クラウド(施設DXプラットフォーム型) | 写真登録・画像検索・対応状況管理・引渡し電子サイン・警察届出書類の自動発行・本部管理(オプション) | 公式サイト参照 | 温浴施設・百貨店・商業施設・スキー場の導入事例を公表 |
| pickture | 株式会社オーイーシー | 大分県大分市 | クラウド(AI画像判別型) | 写真のAIによる品名・分類の自動判別・探索依頼とのマッチング・ダッシュボード・フリーワード検索 | 公式サイト参照 | 海外配送サービス「Lost Item Delivery」とのサービス連携(2026年1月公表) |
2026年10月29日時点、各社公式サイト・プレスリリースに基づく整理。最新情報は各社サイトで確認してください。
7社の概要(公表情報に基づく)
比較表で並べた7社の事業内容を、公式サイトやプレスリリースで確認できた範囲で整理します。各社の提供形態が異なるため、単純な優劣で比較できるものではありません。導入を検討する側の状況(拾得件数の規模、窓口の数、問い合わせの言語)と、各社の提供方式を対応させて読むのが、現実的な読み方になります。
落とし物クラウドfind
findは、株式会社find(本社・東京都港区)が提供する落とし物管理のクラウドサービスです。現場スタッフは拾得物の写真を撮影するだけで、生成AIが特徴を自動入力できる点を公式にうたっています。遺失者からの問い合わせはLINEで受け付け、findスタッフが窓口に代わって対応する仕組みも組まれています。日本語・英語・中国語(簡体)・韓国語の多言語対応も公式に明記されています。
料金は年間の拾得件数に応じて見積もる方式で、スタンダードプランは月額20万円〜と公表されています。導入事例として、JR九州や京王電鉄、東京モノレールなどの鉄道事業者のほか、商業施設や大学の公表事例があります。公式サイトでは、「全国6,500拠点以上の導入実績」「落とし物登録数740万件超(2026年8月末時点、累計)」といった数値も公表されています。JR東海への導入は、2025年9月のプレスリリースで公表されました。
MONODOKO
MONODOKOは、JR東日本グループの株式会社JR東日本情報システム(JEIS)が提供する遺失物管理のクラウドサービスです。拾得物を撮影した画像から、AIが色や特徴を候補としてリストアップする「AIによる登録補助」をオプション機能として提供しています。警察への提出・届出に必要な書類の出力に加え、特例施設占有者向けの物件処分・売却手続に伴う各種書類の出力も、公式の製品紹介に機能として記載があります。想定する利用者として、鉄道・バス・商業施設・ホテル・病院・テーマパーク・スタジアムなどが示されています。
利用料金は、取り扱う拾得物件数と利用ユーザー数、オプションの組合せで決まる月額プラン制とされ、詳細は問い合わせによる方式です。無料のお試し利用と、導入を前提とする試行利用の申し込みが公式で案内されています。JR東日本グループの情報システム会社という背景から、鉄道系の窓口運用を想定した機能構成になっている点が特徴です。
忘れ物ポータル
忘れ物ポータルは、ピトラ株式会社が提供する拾得物管理のクラウドシステムです。拾得物の登録・検索に加えて、Bluetooth接続のレシートプリンターで管理タグを印刷する機能、遺失者向けの問い合わせフォーム、拾得物の受領証・返還証の発行、警察届出の書類作成やオンライン・電磁的記録媒体による届出対応までを組み合わせて提供しています。2026年1月には、情報セキュリティマネジメントシステムのISO/IEC 27001認証を取得したことが、公式のお知らせで報告されています。
料金は、拾得物の発生件数やカスタマイズ機能に応じた月額で設定する方式です。小規模な店舗・施設向けの「忘れ物ポータルLite」(月間拾得物件数40件程度を想定)や、イベント事業者が1日単位で利用できる「忘れ物ポータルShort」をラインアップしています。問い合わせ対応自体をオペレーターが代行するプランもあり、「システム+オペレーター」で構成される複合型の提供方式が特徴です。
落とし物管理さくらさん
落とし物管理さくらさんは、株式会社ティファナ・ドットコムが提供するAI活用の遺失物管理サービスです。拾得物の登録から遺失者への返却、問い合わせ対応までをAIが担う形が公表されており、遺失物管理に関する技術について特許を取得したことが、同社のプレスリリースで報告されています。商業施設の「有明ガーデン」への導入や、さいたまスーパーアリーナでの導入発表など、公表事例があります。
料金は公表されていません(要問い合わせ)。特筆される点は、問い合わせ対応をAIが正面から引き受ける構成を打ち出している点です。画像解析や登録補助を担当者が活用する他社と比べ、AI主導での運用を提供するスタイルを取っています。料金面や機能の詳細を確認する場面では、公式サイトの問い合わせフォームが入口となっています。
みつけるくん
みつけるくんは、株式会社システムステーションが提供するクラウド型の遺失物管理システムです。拾得物の写真付き登録、写真・日時・カテゴリー・フリーワードでの検索、警察届出書類の自動作成を基本機能としています。登録可能な拾得物件数に上限を設けない点と、月額基本料金のみで件数による追加料金が発生しない料金設計を、公式サイトが強調しています。料金は月額5,000円〜と公表されています。
導入事例としては、北九州市立総合体育館、広島県福山市のレジャー施設「みろくの里」、温浴施設の「おふろの王様」などが公式事例ページで紹介されています。中には、「紙の台帳からの警察届け出業務で毎回2〜3時間を要していた」事例も報告されています。低価格帯の料金設定なので、中小規模の施設がシステムを選ぶ選択肢として位置づけられます。
HOKURYO CONNECT
HOKURYO CONNECTは、北菱電興株式会社が提供する施設DXクラウドの一部を構成する遺失物管理システムです。遺失物の登録・画像検索に加えて、対応予定の記録管理、引渡し時の電子サイン受領、保管場所の一括変更、警察届出書類の自動発行を機能として公表しています。警察届出書類は警察庁および警視庁の様式に準拠したフォーマットとされ、全国共通で使えると案内されています。本体は施設向けの複数製品(清掃管理、修繕保守等)と共通のプラットフォームで設計されています。
料金は公表されていません(要問い合わせ)。導入事例としては、温浴施設・百貨店・商業施設・スキー場などが公式サイトの導入事例ページに掲載されています。多くの施設で本部管理機能のオプションも提供されています。複数店舗の運営本部が、運用ルールを一括設定したり店舗の管理状況を確認したりする形が、「本部管理機能」として提供されています。
pickture
picktureは、ソフトウェア開発を手がける株式会社オーイーシー(本社・大分県大分市)が提供する遺失物管理システムです。拾得物の写真を撮影すると、AIが品名や分類の区分を自動判別する点を、公式のサービス&ソリューションページでうたっています。登録された拾得物と、遺失者が探している品物の情報を、AIで判別した情報区分(タグ)で相互にマッチングする「探索依頼とのマッチング」も特徴です。フリーワード検索には自然言語処理・形態素解析の技術を利用することが、公式に記載されています。
料金は公表されていません(要問い合わせ)。2026年1月には、海外配送サービス「Lost Item Delivery(ワスラック)」とのサービス連携開始が、オーイーシーのニュースページで公表されています。拾得物管理に国際配送を接続する構成で、実例の公表があります。ダッシュボードでの拾得状況・探索件数・引取予定の可視化も、公式の機能紹介に含まれています。
選択の判断材料になる視点
拾得件数の規模と料金の対比
拾得件数の少ない小規模施設と、毎日大量の拾得物が動く大規模交通機関では、料金の調び方は大きく異なります。月額5,000円〜という低価格帯で基本料金制をとる製品があれば、年間拾得件数に応じて月額20万円〜と見積もる製品もあります。料金表は申し込み時点で確定しないため、必要な品物の登録件数を予測してから、各社に見積もりを依頼する手順が現実的です。比較表の公表料金の欄は、見積もりを取るための目安として読むのがよいでしょう。
AIの使われ方の違い
比べて表で並べた7社の機能をみると、AIの使われ方には大きく三種類があります。第一は「登録の出力をアシストする」形(MONODOKOのAI登録補助、picktureの品名自動判別)。第二は「遺失者との照合を機械に任せる」形(findの画像照合、picktureのマッチング)。第三は「問い合わせ対応自体をAIに委ねる」形(さくらさん)。この三種類は、カスタマーサポート設計が関連する論点です。
保管と個人情報としてのセキュリティ
拾得物の管理データには、遺失者の氏名や連絡先が含まれるため、個人情報に該当する情報として扱われる点を押さえておく必要があります。ISO/IEC 27001の認証を2026年1月に取得したと公表している提供元があり、また、導入法人は自社のデータのみにしかアクセスできない設計を説明する提供元もあります。導入前に、個人情報の保管年限・バックアップ・削除手続を確認しておくのが安全な手順です。
